閉院の申請や届出の提出

個人医院・クリニック閉院の際は、管轄の保健所に閉院の旨を申請します。保健所に「診療所廃止届」を提出することになる他、業務に関する各種の届出も必要になります。地方厚生局には保健医療機関廃止届を提出、また各都道府県には麻薬施用者業務廃止届の提出を要します、届出によって期限や窓口が異なります。

閉院に必要な書類と提出先・提出期限は以下のようになっています。自治体によって違う場合がありますので、事前に自治体のホームページや提出先の機関に確認しておきましょう。また、各種手続きは顧問税理士や社会労務士にて代理申請をしていただけるので早めのご相談が必要となります。

提出先 名称 提出期限
厚生局 保険医療機関廃止届 遅滞なく
福祉事務所 生活保護法指定医療機関廃止届 遅滞なく
医師会 退会届 遅滞なく
税務署 個人事業廃止届 遅滞なく
都道府県税務
事務所
個人事業廃止届 遅滞なく
医師国民健康
保険組合
資格喪失届 遅滞なく
年金事務所 運用事業所全喪届 5日以內
年金事務所 被保険者資格喪失届 5日以內
保健所 診療所廃止届
または開設者死亡(失そう)届
10日以內
保健所 エックス線廃止届
※廃棄証明書の添付が必要
10日以內
都道府県 麻薬施用者業務廃止届 15日以內
労働基準監督署 確定保険料申告書 50日以內

スタッフや患者様への対応

医院・クリニックに勤めているスタッフや患者への対応も必要になります。
スタッフに閉院の旨を伝えて、退職金の支払いや社会保険の手続きなどを進める必要があります。
スタッフの給与、退職金、社会保険、年金等の手続きは顧問税理士・社会労務士への依頼をお勧め致します。
患者様についても、病院の閉院に合わせて他病院への紹介などをおこないます。
また取引先への対応や未収金などの回収も必要です。

医療器機類の処分方法

医療機器はリースか自己所有かによって対応が異なる院やクリニックで使用する医療機器には、検査機器やリハビリ機器、CTや心電計などさまざまありますが、これらはいずれも産業廃棄物に当たります。そのため、一般家庭の家具や粗大ゴミとは異なり、法律やマニュアルに沿って適正な処分を行う必要があります。

リースの場合

医療機器をリース契約で借りている場合は、リース会社に連絡しましょう。中途解約ができないケースが多いので、リース料が残っている場合は閉院までに残債や違約金など精算する必要があります。
リース物件の医療機器を処分せず新しい承継者に譲渡する際は別途契約が発生するので、その場合もまずはリース会社に相談すると良いでしょう。その後はリース会社の指示に従い、処分方法を検討します。

自己所有の場合

医療機器を所有している場合は、産業廃棄物処理業者に依頼して処分してもらいます。その際、処分費用がかかるのが一般的です。特に保健所へのX線廃止届を提出の際には廃棄証明書が必要です、またマニフェスト(産業廃棄物管理票)に定められた適正な方法で処分されているかなどの観点から業者を選定する必要があります。

廃業証明書

引取業者側が依頼を受けた器械を正しく廃棄した、という事実を証明する書類です。 廃棄する業者が発行するもので、排出業者(ご依頼主)に渡されます。

マニフェスト「産業廃棄物管理票」

排出した産業廃棄物が正しく処理されているかを確認する書類で不法投棄を防ぐ目的で実施されています。産業廃棄物の排出業者(依頼側)が発行し、処理に関連する業者に渡されます。

作業の流れ

現場確認(依頼品・搬出ルートなど)

御見積書提出

スケジュール調整

引き取り

証明書の発行

お支払い

完了

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